――――ああ。貴様とアスランはそのまま、本国に戻るそうだ―――― ――――なんで?―――― ――――=は元々クルーゼ隊のメンバーではなく、新型起動兵器奪取のために他の隊から借り受けた存在だから。だそうだ―――― ――――……転属願い、出したら受け入れてもらえるかな?―――― ――――出す気なのか?―――― ――――アイツは、ミゲル兄さんの仇よ。必ず、この手で。それまでは、おちおち他の隊でMAごときを撃破している余裕なんてないわ―――― 思いつめたその、表情。 その重荷を、肩代わりしたかったんだ。 ――――だから俺は、ストライクの撃破を、望んだのかもしれない――……。 鋼のヴァルキュリア #07夜想曲〜中〜 全周囲光波防御帯が収容された。 それを確認し、ガモフからブリッツが発進する。 しかしその機体が、突如として消えた。 肉眼でもレーダーでも捉えられない完璧なステルス性能。『ミラージュコロイド』を展開したのだ。 それを展開すれば、その間フェイズシフトは使えない。しかし、こういった局面においては、非常に有効な機能であるといえよう。 「ミラージュコロイド、生成良好。散布現損率35%……。使えるのは、80分が限界か……」 その間に、リフレクターを落とさねばならない。 ニコルに課せられた責任は、大きい。 音もなくアルテミスに近づき、ニコルはビームライフルを発射した。 全く攻撃を予想していなかったアルテミスは、突然の攻撃に騒然となる。 そして、まんまと指令を出してしまったのだ。 『傘を開け!!』と……。 光波防御帯を収容していたリフレクターが、作動を開始する。 それはニコルに、彼の目指すものを教えているも同然だった。 「あれか!」 ニコルはビームサーベルを抜き、次々とリフレクターを落としていく。 しかし、かの機体は、その姿を現さない。『足つき』も同じだ。 「あいつは港か!?」 ニコルは進路を、港へと変えた。 ニコルは、港の内部に侵入した。 そのまま、ビームサーベルでMAを撃破していく。 そして、発見した。 赤・青・白のトリコロールの色彩を持つ機体を。 「いた!」 向こうもニコルの存在に気付いたのか、そのまま向かってくる。 「あいつ!今日こそ!!」 ニコルはピアサーロック“グレイプニール"を放った。 しかしそれはかわされ、敵はビームサーベルを構える。 強い。しかし、やられるわけには、いかない。 ニコルは、覚悟を決めた――……。 そのころ、バスター、デュエルもガモフを発進し、アルテミス内部へ侵入していた。 「あいつは!?」 低い、憎悪をむき出しにした、声。 イザークの激情を抑えるかのように、ディアッカは軽口じみた言葉を紡ぐ。 「あの要塞ごと沈めてやるさ!」 ニコルは”ランサーダートを放ったが、それもまたかわされた。 そして生じた隙に乗じて、敵がビームライフルで切りかかってくる。 「くうううぅぅ!」 辛うじてニコルは、その攻撃をかわした。 デュエル、バスターはまだ、入り口付近にいた。 大量のMAが群がってきたためだ。 バスターのガンランチャーが火を噴いて、また一機MAを沈める。その一機は、司令部へと激突した。 「あの船は?」 「分からん。……ニコル!どこだ!?」 イザークが呼びかけるが、ニコルからの返答はない。 混戦状態。 こんな状況では、連絡の密などとりようもない。 イザークは舌打ちし、地道に探すことにした。 絶対に許すわけにはいかないのだ。 それだけのことを、相手はしたのだから。 ミゲルを殺し、を傷つけたのだから。 許すわけには、いかない――……。 ニコルと相対していた機体が、突如としてその進路を変えた。炎の中を突っ切るようにして、艦の方へと戻っていく。 その行動に考えをいたらせて、ニコルは思わず叫んだ。 「逃げるのか!?」 それは、屈辱でしかない。 ニコルは慌ててその後を追うが、炎に行く手を阻まれてしまった。 高盾システム“トリケロス”で何とか炎を防ぐ。 その時、イザーク、ディアッカも合流してきた。 三人は機体の後を追ったが、敵はもう、離脱したあとだった――……。 「ええい!」 ニコルは思わず、歯噛みした。 敵を、討ち果たせなかった。 ミゲルのそしての仇だと言うのに……!! 自分の無力さが情けなく、悔しい。 しかしこれだけ離されてしまっては、最早追うこともできない。 仕方なく、彼らは撤退した。 こうして、難攻不落の要塞と謳われた『アルテミス』は、壊滅したのだった――……。 +−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+− 名前変換少ない……。 そして、甘くない。 こんなん夢と言えるのだろうか。 思わず自問自答してしまいます。 なんか微妙にニコル視点だかイザーク視点だか分かんないし。 やっぱり戦闘シーンは苦手です。 でも、ここから先って、戦闘シーンだらけな気が……。 ううっ。精進します。 ここまで読んでくださって、有難うございました。 |