この心から溢れ出しそうなものに 名前をつけて。 感情すらもそのままに その名前のとおりに その名前の感情だけを抱けたら こんな激情も 醜いまでの妬心とも独占欲とも 無縁でいられたのだろうか……? それでも望むものは、ただ一つだけ――……。 鋼のヴァルキュリア #20 ローレライ〜中〜 アラスカに向けてインド洋を航海中の“アークエンジェル”を、“デュエル”、“イージス”、“ブリッツ”、“イージス”の]ナンバーと“ワルキューレ”が襲った。 大気圏内において飛行能力を持たないオーブ製のXナンバーは“グゥル”と呼ばれるMS支援空中軌道飛翔体に乗り自由に空中を飛び回って“ストライク”を翻弄する。 飛行能力を持たない“ストライク”は、その攻撃を前になす術もない。 “バスター”が超高インパルス長射程狙撃ライフルを放つ。 辛くもその攻撃を避けたが、衝撃に艦が大きく揺れた。 「バリアント、ウォンバット、て――――っっ!!」 荒々しい声でナタルが命じ、モビルスーツめがけて砲火を浴びせるが、小回りのきかない艦砲からの攻撃は、いとも容易く避けられてしまう。 “デュエル”は220ミリ径5連装ミサイルポッドからミサイルを浴びせるが、それはアークエンジェルの“イーゲルシュテルン”により迎撃された。 「何をやっている、ディアッカ!さっさと艦の足を止めろ!」 「分かっている!」 苛立たしげに声を上げるイザークに、ディアッカが応じる。 しかしそんなディアッカの“バスター”を、フラガが搭乗する“スカイグラスパー”が牽制する。 「ちぃっ!」 後部ミサイル発射管から発射される“ヘルダート”を避けながらイザークは歯噛みした。 これでは今までと変わらない。 を傷つけた憎い憎い敵。ここで見逃すわけには、行かないのだ。 猪突するイザークを、アスランが止める。 しかし、イザークが聞く筈がないのだ。 「イザーク、一人で出すぎるな」 「うるさいっっ!」 分かっていても、命令を拒否されるのは決して気持ちのいいものではない。 顔を歪ませたが、アスランはすぐに冷静になった。 「エンジンを狙うんだ。ニコル、左から回り込め」 「はい」 “バスター”が“スカイグラスパー”と撃ち合っている以上、MSの火力で艦を抑えなくてはならない。 割り振りはここで、“スカイグラスパー”に“バスター”、“アークエンジェル”には“ブリッツ”と“イージス”が。そして“ストライク”に“デュエル”と“ワルキューレ”が当たることになった。 ”アークエンジェル“は襲い来る敵にイーゲルシュテルンの集中砲火を浴びせるが、モビルスーツは易々とその攻撃をかわし、肉薄する。 (こいつさえ沈めれば……!!) “イージス”のビームライフルが、“イーゲルシュテルン”の砲門を撃ち抜く。 更に“ブリッツ”の放つ“ランサーダート”により“バリアント”が潰された。 攻撃は、激しさを増すばかりだった。 “アークエンジェル”の艦内では、次々と悲観的な報告がなされていく。 「イーゲルシュテルン、4番5番、被弾!」 「損害率25%を超えました!」 「“イージス”、“ブリッツ”接近!」 被害報告に焦りを覚えるマリューとは対照的に、ナタルはきびきびと命令を下していく。 「ウォンバット、照準!“グゥル”を狙え!“ストライク”にもそう伝えろ!」 「“グゥル”……ですか?」 聞きなれない名前に、ミリアリアが尋ね返す。 それにトノムラがあわただしく答えた。 「モビルスーツが乗って飛んでいるあれだよ!」 「あっ、はい!」 上部甲板で敵を迎え撃つキラは、その命令を受諾した。 確かにXナンバーはPS装甲に守られていて手が出せない。 しかしそれを支援する“グゥル”は、PS装甲を持たない。そして足を失った機体は、大気圏を飛行することは叶わず墜ちるしかない。 しかし“グゥル”をもたない機体は、どうすればいい?“グゥル”を使うことなく、難なく大気圏を飛行するその機体は――“ワルキューレ”は……? 機関部を狙ってくる“イージス”を、キラは懸命に牽制していた。 しかしそこに、青と白のツートンカラーの機体が割り込んでくる。……“デュエル”だ。 「下がれ、アスラン!コイツは俺がぁっ!」 「イザーク!迂闊に!」 「何やってるのよ、イザーク!」 イザークの突然の行動に、 もまた焦りの声を出す。 だって、イザークが心配なのだから。イザークを死なせたくない。その思いは、何があっても揺らぐことなく の中に在るのだから。 しかし が援護するよりも先に、“デュエル”は“ストライク”と交戦を始めてしまった。 ビームをシールドで避けながら、キラは照準を覗き、トリガーを引いた。 キラの放ったビームは正確に、“デュエル”の乗る“グゥル”を撃ち抜く。 足を失った“デュエル”は爆発する“グゥル”から飛び降り、そのままビームサーベルを抜き放つと“ストライク”に肉薄した。 「取り付く気か!?」 意図を察したキラが照準から目を離し、“ストライクの”バーニアを吹かして空中へ躍り出る。 2機の機体のビームサーベルの光が空中で交錯した。 しかし次の瞬間、柄の部分から斬られた“デュエル”のビームサーベルから、その光刃が消滅する。 「何ぃぃぃ!?」 思わずコックピット内で、イザークは呻き声を上げた。 “ストライク”はそのまま、空中でくるりと一回転すると、“デュエル”を踏み台にして更に飛び上がる。 そのままキラは鋭い目で、空中を見やった。その眼差しの先には、僚友の危機に駆け寄る“ブリッツ”の姿が映し出されていた。 「イザーク!」 「くっそぉぉ〜!」 苛立ちが、在る。 まただ。また、あの機体に一矢報いることなく墜とされた。 いつも、いつもだ……!! 少女を守りたいのに。なのにイザークは守ることはおろか、自分のことすらままならない。 いつも、いつもだ。何度、これから何度、あの機体に煮え湯を飲まされ続けなければならない!? 落下しながら“デュエル”は空中で機体をたて直し、“ストライク”に向けて115ミリレールガン“シヴァ”を放つ。 そのまま、“デュエル”は海中に落下した。 “ストライク”の予測もつかない二段ジャンプに虚をつかれたニコルは対応できず、そのままもろに体当たりを食らって“グゥル”から弾き飛ばされる。 「ニコル!」 「ニコル!?」 アスランが呼び、そして が手を伸ばそうとするが、間に合わない。 そのままニコルの搭乗する“ブリッツ”もまた、海中へと沈む。 キラはその“グゥル”にサーベルを突き刺すと、 がすかさずライフルで応射する。 それをシールドで交わしつつ、“ストライク”は再び甲板上へ戻った。 (腕を上げた……) (これほど腕を上げたなんて、キラ……) アスランが少し見ない間に、“ストライク”は恐るべき戦巧者になっていた。 もそれは、同じだった。 キラはどんどん腕を上げている。 それが、意味するものは……。 コーディネイターであり、同胞でありながら、キラの存在が同胞を危険に晒す。 それだけはなんとしても避けねばならなかった。 (君は私が殺す……必ず……) 全ては、守りたいもののために――……。 には彼を、怨む理由があるのだから――……。 彼らの戦闘に、介入してくる存在が、あった。 それは何も、銃を手にするとかそういうことでは、ない。 彼らの戦闘に、闖入者が存在したのだった。 遠巻きに、それは彼らの戦闘を撮影し、それをニュースという形態で自国に提供していた。 『中立』の名の許に安寧を貪る国。オーブ首長国連邦。まさにその国が……。 興奮した様子の女性アナウンサーが、先ほどからひっきりなしに同じ内容を繰り返していた。 曰く。 『ご覧いただいている映像は、今、まさにこの瞬間、わが国の領海20キロの地点で行われている戦闘の模様です。政府は不測の事態に備え、既に緊急首長会議を招集しました。また、カーペンタリアのザフト軍及びパナマの地球軍に強く抗議し早急の事態の収拾と両軍の近海からの退去を求めている模様です』 長テーブルにつき、その映像を見ている男たちがいた。 オーブ首長国連邦のそれぞれの首長をかねる面々だ。 「ウズミ様」 呼びかけられた男は、口髭を蓄えた壮年の男だった。 厳しい顔つきをしているが、その顔の造作はどちらかといえば知性的であった。 肩に流した長髪が、揺れる。 溜息を吐きながら、男は椅子に深く腰掛けなおした。 「許可なく領海に近づく武装艦に対する我が国の措置に、例外はありますまい。ホムラ代表」 代表と呼ばれた男は、その顔に困惑の色を浮かべた。 男に対し、ウズミは更に言葉を口にする。 「テレビ中継はあまりありがたくないと思いますがな」 ウズミの言葉にホムラは初めてそれに気づいたかのように、近習を呼び寄せた。 ウズミという男は、前代表首長であった。 スキャンダルが許で失脚し、代表首長の座を弟であるホムラに譲りはしたが、実権は今なおウズミが握っている。 それきり黙りこんだウズミの鋭い眼差しは、真っ直ぐとテレビ画面に向かっており、その胸の内は誰にも測れはしない。 そこに映るのは、彼らの国が開発してしまったXナンバーの機体。 そしてそれらが繰り広げる激しい攻防戦。それだけだった――……。 被弾し、揺れ続ける艦内を、カガリはブリッジに向かって歩いていた。 振動に、何度も倒れこみそうになるのを、必死の思いで壁伝いに歩いていく。 エレベーターに乗り込もうとしたカガリを、キサカが捕まえた。 「カガリ。待て、どうするつもりだ」 「離せ!このままでは沈む。オーブのすぐ傍だというのに!」 二人を乗せて、エレベーターの扉が閉まる。 移動を開始した箱の中で、カガリは後悔に打ちのめされそうだった。 殺せなかった。殺そうと思えば殺せたのに。もしもあの時殺せていたなら、今こうして窮地に陥ることもなかったかもしれないのに――……!! その思いが、カガリを言い知れないほど憂鬱にさせるのだ。 「こんな……私はこんな……くそぉぉっ!!」 激しく、壁を打ち据える。 アスランと名乗った、ザフト兵。 砂漠でであったザフトのヴァルキュリア。 彼らのうち片方でも害せていたなら、これほどの窮地には陥らなかっただろうに……。 こうなることを恐れて、銃を奪った。 そのモビルスーツを破壊しようとさえした。 彼女と彼らは、敵同士なのだ。そして敵である以上、いつかどこかで撃ち合う。 分かりきっていたことだったのに、カガリは殺せなかった。 今でも、例えこうなると分かっていても、殺せなかったと思う。 守りたいものが在る。そのためなら、敵を撃たねばならないとも思う。けれどそうやって殺すことを、彼女の心は躊躇ってしまう。 相反する二つの思いが身の内で鬩ぎ合い、カガリの身を苛む。 ブリッジに入ると、緊迫した雰囲気がびりびりと伝わってきた。 鳴り響くアラートに、チャンドラが反応し、ナタルに報告する。 「領海線上にオーブ艦体」 「何!?」 「助けに来てくれた!」 その報告にカズイは笑顔を見せるが、続くマリューの言葉に希望はかき消された。 「領海に寄りすぎてるわ。取り舵15!」 マリューの言葉に、ヘリオポリス出身の学生たちは一様に驚愕の目を向ける。 彼らにとって、オーブは故郷なのだ。 オーブこそが、彼らの国なのだ。 そしてこの状況ではオーブに逃げ込む以外助かる道はないと分かっているノイマンも、マリューの言葉に異議を唱える。 「しかし……!」 「これ以上よったら、撃たれるわよ」 「でも……」 「オーブは友軍ではないのよ。平時ならまだしも、この状況では……」 そう。それが現実だ。 地球連合軍の戦艦に搭乗している以上、彼らはたとえオーブ国民であるといっても、地球連合軍なのだ。 当然、領海を侵犯すればオーブは攻撃してくる。 それが、現実だ。 その時、たまりかねたようにカガリが喚いた。 「構うことない!このまま領海に突っ込め!オーブには、私が話す!早く!」 「カガリさん、貴女……」 マリューが座す艦長席に回り込み、カガリが言い募る。 その時、オーブ艦体から通信が入った。 「展開中のオーブ艦体より入電」 <接近中の地球軍艦艇、ならびにザフト軍に通告する。貴艦らはオーブ連合首長国の領域に接近中である。速やかに進路を変更されたい。我が国は武装した戦艦、航空機、およびモビルスーツの事前協議なき領域への侵入を一切認めない。速やかに転進せよ> その通信は当然、海中に落下し、そこを母艦に無事回収されたイザークの耳にも入っていた。 嘲笑も露わに、イザークは吐き捨てる。 「何寝言を言っている!」 この状況を見ていて、よくそんなことが言えるものだ。 大体中立だの何だのとほざきながら、現在イザークたちが搭乗する地球軍のXナンバーを開発したのも、もとはといえばオーブではないか。 それで中立だと?よくそんなことが言えたものだ。 イザークのその嘲笑は、 にも通じるものだった。 色づいたその唇を嘲りに歪ませ、彼女も吐き捨てる。 「中立が聞いて呆れるわ」 何が中立だ。 中立だというのなら、何故ヘリオポリスで地球軍がモビルスーツを開発するのを手助けした? 「地球軍のモビルスーツ開発の手助けをしたこと、忘れたとは言わせないわよ」 その言葉が相手に届かないと分かっていても、そう毒づきたくなるのは、仕方がないと思う。 コックピットの中、スロットルバーを握りながら、 はアークエンジェルの動きを観察した。 「さぁ。どう出る?足つき……」 その口元に、笑みすら浮かべて。 遊びに興じるように、漆黒の瞳を輝かせて。 通信機越しにはまだ、オーブ軍の将校と思われる男が、無意味なことを囀っているのが、聞こえる。 <繰り返す。直ちに進路を変更されよ!これは最後通告である。この警告が守られない場合、我が軍は貴艦らに対し発砲する権限を有している> 「やれるものならやってみなさいよ」 地球連合軍とザフトと、二つを相手取る覚悟があるなら、やってみるといい。 いかにオーブが高い技術力を誇ろうとも、物量的に負けは決定しているのだ。 本気でできると思うなら、やってみるといい。 そもそもオーブなど、連合とザフトと、二つを相手取って戦うことなどとても覚束無い、弱小国家ではないか。それでよく、そうも強気な発言が出来るものだ。 “アークエンジェル”に乗艦しているカガリが、その時激昂して叫んだ。 「この状況を見ていて、よくそんなことが言えるな!アークエンジェルは今からオーブにはいる。だが攻撃はするな!」 「な、何だお前は」 モニターに映るオーブ将校は、酷く呆気にとられた顔をした。 無理もない。あまりにも、ムシの良すぎる話だった。 しかしカガリは、尚も叫び続ける。 「お前こそなんだ!お前では判断できんと言うのなら、行政府へ繋げ!……父を……ウズミ=ナラ=アスハを呼べ!私は……私は、カガリ=ユラ=アスハだ!」 一瞬、ブリッジは。いや、全てが、静寂に包まれた。 通信機に少女の声が流れたとき、 はそれがあの砂漠で……そして無人島で出会った少女であったことに、気づいてはいた。 しかしあの少女が、オーブ前代表首長の娘……? それは一体、何の茶番だ。 ほら、見てみろ。 何が中立だ。中立の国の娘は、連合に組してザフトと戦うのか。所詮オーブと雖も、地球の一国家。地球連合の……大西洋連邦の手先ではないか。 「な……何を馬鹿な。姫様がそんな艦に乗っておられるはずがなかろう」 「何だとっ!?」 「仮に事実だとしても、何の確証もなしに信じられるものではないわ」 言い切り、通信は途絶えた。 ……いい判断だ。 おおっぴらに自国の姫として迎えるわけにもいかないのだろう。 中立の国の代表首長の娘が、連合軍艦から通信をするなど。それも中立である自国にその保護を求めるなど。 あってはならないことなのだから。 それが意味するものは、ザフトを全面的に敵にまわすも同義。 沈黙は、長くは続かなかった。 厄介な事態になる前に、ディアッカの搭乗する“バスター”が、攻撃を再開した。 オーブがグダグダ無意味なことを言おうと、先に墜としてしまえばいいのだ。 「ご心配なくってね!領海になんか入れないさ。その前に決める!」 「毎度毎度!」 ディアッカの放った放火が、アークエンジェルの左舷に直撃する。 フラガの搭乗するスカイグラスパーが、“バスター”に攻撃を仕掛け、その動きを牽制する。 スカイグラスパーめがけて放たれた砲火は、オーブ艦の方へ向かっていった。 <ディアッカ!オーブ艦に当たる!回り込むんだ!> 「そんなこと……!」 <オーブの背信は明らかじゃない。何を躊躇するのよ、アスラン!> <攻撃を加えれば、それは本国を巻き込む外交問題に発展する。俺たちの独断で決めていい問題じゃない!> 言い合いに一瞬気をとられたディアッカは、隙を窺っていたストライクによって“グゥル”を射抜かれる。 機体をパージすると、“バスター”はそのまま海へと落ちていく。 とどめと言わんばかりにスカイグラスパーが攻撃を仕掛けてくるのをかわし、逆にディアッカはアークエンジェルへ向けて一撃を放った。 それはアークエンジェルのメインエンジンの部分に直撃する。 「1番2番エンジン被弾!46から55ブロックまで、隔壁閉鎖!」 「推力が落ちます。高度、維持できません」 悲観的な報告が立て続けになされる中、それまで黙って事の成り行きを見ていたキサカが、マリューに向かって言った。 「これでは、領海に侵入しても仕方あるまい」 「え?」 本来ならばそれは、仕方ないで済ませられる問題ではない。 しかし今は、手段を選んではいられなかった。もしもこのままオーブの保護を受けられなかったら、彼らはザフトの猛攻の前為す術もなく死ぬしかない。 カガリ=ユラ=アスハという少女の存在は、この際貴重だった。 「心配はいらん。第2護衛艦軍の砲手は優秀だ。上手くやるさ」 「分かりました」 3機の]ナンバーは撃墜したが、あちらにはまだ“イージス”と“ワルキューレ”がある。 あまりにも、分が悪かった。 エンジンが利かなくなったと見せかけ、アークエンジェルは海面に着水した。 そんな彼らに、オーブ将校が厳しい顔つきで、最後通告を突きつける。 「警告に従わない貴艦らに対し、我が国はこれより自衛権を行使するものとする」 いっせいに、アークエンジェルならびに]ナンバーに砲撃が開始される。 「やれるものならやって見なさい」 容易くその攻撃を避けながら侮蔑も露わに言い募るに、アスランからの通信が入った。 <。引くぞ> 「ここまで追い詰めたのに!?」 <今、オーブとまで敵対するわけには行かない。分かるだろう?> オーブを連合側に走らせるような行為は、慎まねばならなかった。 舌打ちし、は機体の高度を上げる。 アスランもそれに続いた。 最後に二人が見たアークエンジェルは、オーブからの攻撃により、艦の周りには高く水飛沫が上がり、その様子を捉えることすらも出来なかった――……。 それから数時間後、オーブから正式発表が出ることとなる。 それは、この茶番劇に相応しい、まったくもって無意味な『報告』が――……。 オーブが絡むと、どうしてこんなにも書きにくくなるんでしょうか。 あまり好きじゃないからかなぁ。と思ってみたり。 ていうか今回、さん問題発言ばかりですみません。 これが、今の彼女の性格ということで、納得していただけたなら幸いでございます。 いや、『私はこんなこと思いません!』なんて、これ読まれた方が思われそうで……。 少しひやひやモノです。 |