「アスラン!!」


涙の滲んだ漆黒の瞳を、歓喜に輝かせて。

君が、俺の名を呼ぶ。

その感情が俺の心に滲んで……。

それがどれほど嬉しかったか、何て。

きっと君は知らない――……。






#30   遁
〜V〜






 突如途絶えた交信に、ミリアリアは顔を上げた。
 赤く明滅している文字は、『Signal Lost』。
 それに、言い知れぬ不安を覚える。

 何の、冗談だろう。
 今、“アークエンジェル”の火気は、そのほとんどが使用不能となっている。
 きっと、電気系統にバグでも起こしてしまったのだろう。
 そう、ミリアリアは結論付けた。

 そう。そんなこと、起こる筈がないのだ。
 Sigunal Lost
 それが意味するものは、ただ一つしかない。
 だから、ミリアリアは懸命に目を逸らす。
 そして冷たい画面を、そっと撫でた。
 早く帰ってきて、と。
 無事で還ってきて、と。
 祈るように――……。



**




「キラ……!トール!聞こえますか!?応答してください!キラ……トール……キラ!!」


 必死に少年たちの名を呼び続ける少女に、周りの大人たちはバツが悪そうに顔を背けた。
 彼らは、知っていた。
 その沈黙が意味するものを、彼らは知っていたのだ。
軍人として生きてきた彼らは、知っていた。


<今の、爆発音は?>


 格納庫から艦橋に通信が入り、紫のパイロットスーツを着た男の姿が映し出された。
 それに、マリューが答える。


「爆発は、分かりません。ですが、今現在“ストライク”、“スカイグラスパー”二号機、ともに全ての通信が途絶しています」


 マリューの言葉に、彼ははっとしたようにその瞳を見開いた。
 彼も、その瞬間、分かったのだ。
 その言葉が意味するもの。その言葉が意味することを。
 理解、してしまった――……。


「キラ……トール!応答して!キラ……!トール!トール!!」


 なおも少女は、名を呼び続ける。
その声は、切実で。
 大人たちの胸を、抉る。

 年若い少年たちを戦地に伴った。それは、彼らの罪だった。

 なおもその名を呼び続ける少女の、その通信のスピーカーを、ナタルがオフにした。
 いっそ冷徹なまでに、彼女は言葉を紡ぐ。
 それが、彼女の役割であったから。
 彼女の役割は、艦長を補佐し、クルーを安全な場所に連れて行くこと。その命を預かることが、彼女の務めだった。
 だから彼女は、冷徹な態度を崩さない。


「もう、やめろ。
艦長!艦の被害の状況は!?ここで呆けていても、どうにもなりません!」


 ナタルの言葉に、マリューは鞭打たれたように顔を上げた。
 艦の被害状況を尋ねるべく、マードックと通信を繋ぐ。


「マードック曹長」
<そう酷くねぇです。フォースブランケットの応急処置さえ終われば、すぐ飛べます!>


 マードックが、答える。
 投降したディアッカも捕虜として艦内に収容し、彼の愛機“バスター”も回収された。


「回収するんですか?」
「もともとこっちのもんだ。置いてってまた使われたら、癪だろうが」


 そうやって少しずつ準備を整える艦橋に、またしても悲報が届く。


「六時の方向、レーダーに機影!数3!」
「“ディン”です!会敵予測、15分後!」


 ブリッジが、水を打ったように静まり返る。
 一難去って、また一難。
 まさしく、その状況だった。


「迎撃用意!」
「無茶です!現在半数以上の火器が、使用不能です!これでは“ディン”3機を相手に、10分と持ちません!」


 戦闘準備を呼びかけるマリューに、ナタルが待ったをかける。
 この状況では、戦うことなど出来ない。
 何故、それが分からないのか!?

 ナタルの言葉に、ミリアリアははっとした。
 そして、先ほどナタルの手によってオフにされたスピーカーに再び手を伸ばし、オンにする。


「キラ!キラ、聞こえる!?応答して!“ディン”が!」
「いい加減にしろ。ヤマト少尉、ケーニヒ二等兵は、ともにMIAだ。分かるだろう?」


 ナタルの言葉に、ミリアリアはその瞳を見開く。
 その言葉の持つ意味に、息も出来ない。
 その言葉の意味は……その言葉の意味は、一つしかない。

 MIA
 Missing In Action
 『戦闘中行方不明』それは……それが意味するのは……「確認できないけど、戦死でしょう」。


「そんな……」
「受け止めろ。割り切れなければ、次に死ぬのは自分だぞ」


 分かっていなかった。
 彼らは、分かっていなかったのだ。
 戦争するという、意味。
 戦うという意味を、彼らは分かっていなかった。

 どれだけ美しい志願動機を掲げようとも、結局それは殺人に過ぎないことも。
 一歩間違えれば、自分たちも死者の列にその名を連ねることも。
 彼らは、分かっていなかった……。


「“ディン”接近!会敵まで、11分!」


 トノムラの言葉に、ナタルは再び副長席に戻った。
 今は彼女も、自らの職責を果たさねばならない。
 そうしなければ、守るものも守れない。
 クルーを、死なせるわけにはいかないのだ。


「嘘……!!」
「ミリィ!」


 叫んだきり、ミリアリアは通信士の席を蹴ってCIC席から飛び出す。
 それに気づいても、彼女を止める余裕など他の誰にもなかった。


「パワー、戻ります」
「離床する!水力最大!」
「離床!水力最大!」


 “アークエンジェル”の全システムにパワーが戻る。
 大地に横たわっていた白亜の艦は、ゆっくりと起き上がった。


「二号機と“ストライク”の最後の確認地点は?」
「7時方向の、小島です」


 マリューの言葉に、チャンドラが答える。
 それに、あからさまにナタルは異を唱えた。
 何を言っているのか!苛立ちが、彼女の中に蓄積されていく。


「この状況で戻るなど、出来ません!」
「少佐、一号機は!?」
「駄目だ!まだ出られん!」
「艦長!離脱しなければ、やられます!」
「でも!もしかして、キラもトールも、脱出してたら!?」


 一縷の望みに縋るサイに、ナタルは困惑した。
 そして同時に、理解する。
 同じような望みを、艦長も持っているのだろう、と。
 しかしそれは、確証のないものだ。
 望みだけで、他の者たちを犠牲にするなど、そんなこと。出来るはずも無い。


「アラスカ本部とのコンタクトは?」
「応答ありません」
「艦長!クルー全員に、死ねと仰るつもりですか!?」


 ナタルの言葉に、マリューは唇を噛み締めた。
 そんなことは、出来る筈も無い。
 彼女の言っていることは、まさしく正論だった。しかしそれを、何の感慨もなく受け止められるわけもない。
 ぶつけようのない激情に、彼女は震える。
 アームレストに置かれた白い、握り締められた拳が、小刻みに揺れた。


「打電を、続けて。それと、島の位置と救援要請信号を、オーブに」
「オーブに?」
「人命救助よ!オーブは受けてくれるわ!」
「しかし、あの国に……」
「責任は、私が取ります!」


 なおも異を唱えるナタルに、マリューは叫んだ。
 その声に覆いかぶさるように、報告が入る。


「“ディン”、接近!距離、八千!」
「機関最大!この空域からの、離脱を最優先とする!」


 白亜の艦が、動き出す。
 空域から、逃れるために。
 生きるために。
 そのために犠牲になった少年を、弔うことさえ出来ずに。
 それが、彼らの今の『力』だった。
 逃げるだけが、今彼らに出来る全てだったのだ。

 大きく揺れる艦内を、壁伝いに少女は歩く。
 ふらふらと死ながら、その唇は、ただ祈りだけを紡いでいた。
 否、それはもう、執着であったのかもしれない。


「そんな筈ないわ……そんな筈……トール……!!」


 ふらふらと、格納庫に向かう。
 同時刻、別の少女もまた、小さく呟いていた。


「キラ……」


 と。

 還ってきて、と。
 それだけを願う。
 還ってきて……還って来て……と。
 それがもう、戻らぬ過去の残照に過ぎないことさえ、今は気づかなかった――……。



**




 “アークエンジェル”から救援要請を受けたオーブは、大規模な捜索隊を激戦の地へと派遣した。
 降り注ぐ陽光は、どこまでも暖かい。
 しかしいたるところに散らばった残骸が、戦闘の凄まじさを物語っていた。
 穏やかなその光景に、どこまでも異質な、それらが。

 吹き飛んだ、頭部。
 バラバラになった四肢は、ところどころが焼け焦げ、異臭を放つ。
 そこは、死者の場所だった。
 生者など、今動き回っているオーブの者しかないのではないか、と。そう思わざるを得ないほどの……。


「赤の機体が、自爆したようだ。それが“ストライク”を……」


 キサカの言葉に、カガリは巨神を見上げた。
 人ならざるそれは、静かに浜辺に横たわっている。
 GAT-X105“ストライク”という名の、それ――……。

 “イージス”と比べると損傷は少なく見受けられた。
 それでも、溶解した四肢は、そこで起こった戦闘……そして爆風の凄まじさを物言わず語っていた。


「あいつが……?」


 カガリの脳裏に、一人の少年の姿が蘇る。
 いけ好かない“ヴァルキュリア”と一緒にいた、赤のパイロットスーツを纏う少年。
 穏やかそうな顔をした……少年の顔が。その笑顔が、蘇っては消えた。

 捜索隊が、“ストライク”のコックピットの開放に取り掛かる。
 ふらふらとした足取りで、彼女はそこに向かった。


「よせ!カガリ!」


 キサカが叫ぶが、その言葉はカガリの耳には入らない。
 ただ、何かに憑かれたようにそこに、歩み寄った。

 そして彼女は、驚愕に目を瞠る。

 キサカが恐れていたような、どろどろに溶けた肉塊も、そこにはなかった。
 そこにあるのは、どろどろに溶けてしまったシートのみ。
 後は何も……何も、なかった。


「キラ……」
「カガリ……」


 呆然と少年の名を紡ぐ主君たる少女に、キサカは痛ましい気持ちで声をかける。
 彼が恐れていたものを直視したと信じ込み、そう言葉を紡いだのだ。
 しかしそれは、続く少女の言葉で誤りであったことを悟る。


「あいつ、いない!蛻の殻だ!飛ばされたのかもしれない!?いや、脱出したのか!?」
「カガリ!」
「キサカ一佐!向こうの浜に!!」
「キラ!?」


 キラの名を呼び、少女は駆け寄る。
 しかしそれは、キラではなかった。

 ダークレッドのパイロットスーツに身を包んだ、年若いパイロット。
 バイザー越しからも、彼の端正な容姿は見て取れる。
 気を失って倒れこんだ、その人は……彼は……アスラン=ザラ。



**




 目が覚めた時、見知らぬ天井がその頭上には広がっていた。
 時刻は……どうやら、夕方らしい。
 いまだ判然としない頭で、アスランはぼんやりと考えた。

 ここは、どこなのだろうか。

 腕はしっかりと手当てされ、点滴の細い管が彼を拘束していた。
 ここは一体、どこなのか。
 差し込む西日の強さに眉を顰め、彼は起き上がろうとその躯に力を入れる。
なかなか起き上がれずに奮闘する彼に、固い声がかかったのはそのときだった。


「気がついたか?……ここは、オーブの飛行艇の中だ」


 銃を構えた少女が、ゆっくりと歩み寄る。
 その少女を、彼は知っていた。
 無人島でであった、あの少女。


「われわれは浜で倒れていたお前を発見し、収容した」
「オーブ?……中立のオーブが、俺に何の用だ?……それとも今は、地球軍か?」


 それは、強烈な皮肉だった。
 “アークエンジェル”を保護するために彼女が口にした、彼女の本当の身分を、彼は知っている。
 その上で、彼は嘲るように言うのだ。
 『オーブは中立ではなく、地球軍か?』と……。

 彼の嘲りに、少女はグリップを握る手に力を込めた。
 そんな少女のことなど目に求めず、彼は素早く点滴の針を抜く。
 何が投与されているかも分からぬ点滴など、受けられるものではない。


「聞きたいことがある……“ストライク”をやったのは、お前だな?」
「……あぁ」
「パイロットはどうした!?お前のように脱出したのか!?それとも……見つからないんだ、キラが。何とか言えよ!!」


 激昂して、彼女は叫んだ。
 彼の表情が強張ったのにも気づかず、ただ自分の言いたいことだけを口にする。
 彼女はやはり、分かっていないのだ。

 殺したくて殺すわけじゃない、ということも。
 殺したその手を、嘆くものもいる、ということも。
 彼女はただ、彼女の狭い価値観の中でのみ生き、その中で通用する正義を振り翳すだけに過ぎない。


「あいつは……俺が殺した。……殺した、俺が。“イージス”で組み付いて、自爆した。脱出できたとは、思えない」


 淡々と語る彼の、その胸倉を彼女は掴みあげた。
 そのまま、銃を突きつける。


「それしかもう、手がなかった。あいつを倒すには……」


 翡翠の瞳から涙が溢れて、零れ落ちる。
 その涙さえも、癪に障って仕方がなかった。


「貴様ぁ……!!」


 そして胸倉を掴んだまま、彼をベッドに叩きつける。
 コーディネイターの、それも軍事教練を受けた男子であるはずの彼が、容易に彼女のされるがままになった。
 その意味さえ気づかず、彼女は激情に身を任せる。
 あの時、あそこで彼を殺していればよかったのだ。
 そうすれば、こんなことにはならなかった。

 苦い後悔が、彼女の身の内に蓄積されていく。


「でも、何で俺は生きているんだ……?あの時、脱出しちゃったからか?」


 虚脱したような調子で、彼は言葉を紡ぐ。
 それが余計に、カガリの癇に障った。
 こんなやつのせいで、彼は……キラは死んでしまったのだ。
 あの時、殺してさえいれば、こんなことにはならなかった。
 その思いが、カガリに銃を構えさせる。
 突きつけられた銃に恐怖を覚えるでもなく、彼は静かに笑った。


「お前が、俺を撃つから……か?」
「キラは、危なっかしくて、わけ分かんなくて、すぐ泣いて!でも優しい、いいやつだったんだぞ!?」


 こんなやつに語って何になるのだろう、とカガリは思う。
 どうあれ、こいつの手にかかってキラは死んだのだ。
 それなのに、キラのことを語って何になると言うのか。

 それでも、彼女は語らずにはいられなかった。
 少しでも、キラを撃ったことに懺悔の一つ、感じてもらわねば気がすまない。

 憤る彼女とは正反対に、彼は静かだった。
 静かに、彼は言葉を紡ぐ。


「知っている……。やっぱり変わってないんだな。昔からそうだ、あいつは」
「お前……」
「泣き虫で甘ったれで、優秀なのにいい加減なやつだった」
「キラを知っているのか!?」


 勢い込んで、彼女は尋ねた。
 少年の端正な横顔は、その瞬間酷く優しげに見えて。
 遠い過去を遡行する瞳は、酷く優しげな色をたゆたわせていた。


「知っているよ、よく……。小さい頃からずっと、友達だったんだ。仲、良かったよ」
「それで、何で!?それで何で、お前があいつを殺すんだよ!?」
「分からない……分からないさ、俺にも!!」


 そのとき、初めて少年は感情を高ぶらせた。
 掴んでいた胸倉を、少女はおずおずと離す。


「別れて……次に会った時にはもう、敵だったんだ!」
「敵……?」
「一緒に来い、と何度も言った。あいつはコーディネイターだ!俺たちの仲間なんだ!地球軍にいることのほうがおかしい!」
「お前……」
「なのにあいつは、聞かなくて……。俺たちと戦って、仲間を傷つけて、を傷つけて!ニコルを殺した!!」
「だから、キラを殺したのか……?おまえが?」


 呆然と、尋ねる。
 答えは、聞かなくとも分かっていた。


「敵なんだ、今のあいつはもう!なら、倒すしかないじゃないか!!」
「馬鹿野郎!何でそんなことになる!?何でそんなことしなくちゃいけないんだよ!?」
「あいつはニコルを殺した!ピアノが好きで、まだ15で、それでもプラントを守るために戦っていたあいつを!」
「キラだって、守りたいものを守るために戦っていただけだ!なのに何で殺されなきゃならない!?それも、友達のお前に!!」


 憎悪に滾っていた眼差しが、その瞬間悔恨に彩られた。
 翡翠の瞳を呆然と見開き、絶句する。
 おかしい。何かが、おかしい。
 どうして友人同士の二人が、殺しあわなくてはならなくなったのか。
 おかしい。

 けれど何がおかしいと感じたのか、それは彼女にも分からなかった。
 分からないからこそ、彼女は目の前の、失意に沈む少年を詰ることしか、出来ない。


「殺したから殺されて!殺されたから殺して!それで最後は本当に平和になるのかよ!えぇ!?」


 その嘆きから目を逸らすことしか、彼女は出来なかったのだ――……。











 カガリ、と名乗った少女は、それから一言も彼と口を利こうとはしなかった。
 一人、アスランは天井を眺める。
 思い出すのは、ただ一人の少女のことだった。

 今頃、泣いているのではないだろうか。
 それだけが、気がかりだった。

 =
 ザフトが誇る、ヴァルキュリア。
 けれどアスランにとってはやはり、ヴァルキュリアというよりも、小さな少女だった。
 細くて、華奢で。
 何よりも仲間を失うことに怯える、
 今頃、泣いているのではないのか。
 例えその顔に涙を流さずとも、心は泣いているような……=とは、そういう少女だったから。

 そしてキラを討ったことを、彼女は何と言うだろう。
 それは、おぞましい友人殺しだったから。
 彼女が何と言うか分からず、項垂れる。

 それでも、帰りたい、と。
 そう願った。
 帰らなくては、と思う。
 にこれ以上、仲間を喪う悲しみを、味あわせてはいけない。
 だから、帰らなくては。



 そのためにも今は、体力を温存しなくてはならない。
 ぼんやりと天井を見つめながら、彼はそれだけを考えていた――……。



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 『鋼のヴァルキュリア』をお届けいたします。
 何て言うか、ですね。
 ここで一番傷ついているのは、アスランじゃないですか。
 殺したくなかったのに、キラがニコルを殺してしまったために、負い目を感じざるを得ないアスランが、キラを殺す。
 そういう場面で。一番傷ついているのはアスランだという局面で。
 何でカガリに責められてアスランが救いを感じるのかが、緋月には全く分かりません。
 あそこでアスランが望んでいたのは、責められることよりも、詰られることよりもまず、辛かったね、と。そう言ってもらうことじゃないんですか。
 少なくとも、緋月はそう思いますし。だからこそ、うちのアスランは全然カガリに心を動かされてません。
 そもそも、そこで責めたり詰ったりできる傲慢さが、私はやっぱり嫌いです。

 なんかもう、本当に緋月の主張だの何だのが表れまくっている長編ではありますが、少しでも楽しんでいただけましたら幸いです。

 ここまでお読みいただき、有難うございました。