――――天空に輝き渡る太陽が如き黄金色の髪 大地の恵みと生命の象徴たる翡翠の双眸―――― ダーダラス大陸は北方に位置する、ノーサンガルディアス王国。 緑美しい大陸一の大国であるその国は、同時に古い因習に縛られる国でもあった。 金の髪と翠の瞳――。 その二つを兼ね備えた存在は、その国では「神の子」、若しくは「神の愛し子」と呼ばれ、敬愛されると同時に忌避されていた。 「神の子」であるがゆえに、赦されること。「神の子」であるが故に、罪とされること――……。 それは、同じ「神の子」同士の婚姻。 決して赦されざる、それは大罪とみなされていた――。 ――胸中愛華。 それは、ノーサンガルディアスの歴史に記された、決して赦されざる罪に溺れた、二人の異母兄妹の物語である――。
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